名刺の紙にもストーリーがある。アップサイクル用紙の特徴と選び方 のカバー画像

ファストフード店の包み紙や、牛乳などの紙容器に「FSC®認証」のマークが付いているのを見たことはありませんか?

普段何気なく手にしている紙製品にも、「どのような原料を使っているのか」「どのような考え方で作られているのか」という背景があります。

名刺に使う紙も同じです。

白さや厚さだけでなく、使い終わったコピー用紙、バナナの茎、綿の茎、サトウキビの搾りかす、竹など、さまざまな素材から作られた紙があります。

アップサイクルを含む環境配慮紙には、それぞれ異なる背景や色、手触りがあります。
企業名刺では文字の読みやすさやロゴとの相性を考えながら選び、ショップカードでは紙の素材感をデザインに取り入れることもできます。
紙の背景を知ることで、自社や用途に合った紙を選ぶヒントになります。

紙にも元々の素材や背景があります

名刺に使われる紙には、それぞれ原料があります。

オフィスで役目を終えたコピー用紙。バナナを収穫したあとに残る茎。東北で育てられた綿花を収穫したあとに残る茎。砂糖を作ったあとに残るサトウキビの搾りかす。木材とは異なる植物資源である竹。

こうした素材が、紙の原料として使われています。

原料が違えば、紙の色や手触り、繊維の見え方も変わります。

「環境に配慮した紙だから」という理由だけでなんとなく選ぶのではなく、「この紙は何からできているのだろう」と背景を知ることで、その紙を選びたくなることもあります。 色や厚さ、手触りだけでなく、素材のストーリーから紙を選ぶ。そんな選び方もできます。

環境に配慮した紙は再生紙?

環境に配慮した紙は、再生紙だけではありません。

例えば、使い終わった紙を再利用する再生紙のほか、本来は捨てられたり使われにくかった素材に新しい価値を持たせて活用するアップサイクル用紙、竹など木材以外の原料を使った紙、適切に管理された森林資源を使うFSC認証紙などがあります。 同じ「環境に配慮した紙」でも、原料や作られ方、考え方はそれぞれ異なります。

役目を終えた紙を、もう一度使う「再生紙」

再生紙は、古紙などを原料として再び紙にしたものです。 BATON PRINTで扱っているPELP! PAPERは、不要になったコピー用紙を原料とした100%再生紙です。PELP!では、使用済みのコピー用紙を回収し、新しい紙製品として活用する仕組みをアップサイクルと位置づけています。

FSC認証紙とは?

FSC認証紙は、適切に管理された森林や、再生原料などを使って作られた紙です。

FSC認証は、森林がきちんと管理されているかに加え、原材料が製品になるまでの流れも確認する仕組みです。 FSC認証紙には、森林由来の原料を使ったものや再生原料を使ったものなどがあります。そのため、FSC認証紙がすべて再生紙というわけではありません。

木材以外の素材を使った紙もあります

環境に配慮した紙には、使い終わった紙を再生するだけでなく、紙の原料そのものを工夫したものもあります。

例えば、サトウキビから砂糖を作ったあとに残る搾りかす、バナナや綿の茎、竹などを紙の原料として活用する方法です。 本来使われにくかった素材や、木材とは異なる植物資源を生かすことも、環境に配慮した紙づくりのひとつです。

アップサイクルとリサイクルは何が違う?

リサイクルは、使い終わったものを資源として再び利用する考え方です。

アップサイクルは、本来は廃棄されるものや余ってしまう素材などに、新しい用途や価値を持たせて活用する考え方です。

どちらも資源を生かす考え方ですが、アップサイクルは、もとの素材の特徴や背景を生かしながら、新しい製品につなげる点に特徴があります。

例えば、使われなくなった消防ホースをバッグや椅子に作り替える取り組みなどがあります。 紙でも同じように、バナナの実を収穫したあとに残る茎や、サトウキビから砂糖を作ったあとに残る搾りかすなどを、紙の原料として活用する例があります。

環境配慮紙には、どんなストーリーがある?

BATON PRINTでは、アップサイクルを含むさまざまな環境配慮紙を扱っています。 それぞれの紙には、違った背景があります。

コピー用紙から生まれる「PELP! PAPER」

PELP! PAPERの原料は、オフィスなどで不要になったコピー用紙です。

PELP!は、参加する企業や団体から不用になったコピー用紙を回収し、100%再生紙のPELP! PAPERへと生まれ変わらせる会員制のアップサイクルサービスです。回収には専用の「PELP! BAG」を使用します。

一度役目を終えたコピー用紙が、再び紙になり、名刺などの新しい製品として使われます。

PELP! PAPERは表と裏で手触りが異なり、無漂白の再生紙のため、ロットによって色味や表情に違いが出ることがあります。

「捨てるはずだったコピー用紙を、もう一度使える紙にする」。その仕組みまで含めて選べるのが、PELP! PAPERの特徴です。

▶︎PELP!についてはこちら

バナナの茎から生まれる「バナナペーパーCoC」

バナナペーパーCoC

バナナは、実を収穫したあとに古い茎を切り落とします。

バナナペーパーCoCは、アフリカのザンビアで育てられたオーガニックバナナの茎を活用した紙です。

バナナを収穫するときに切り落とされる茎から繊維を取り出し、日本の伝統的な越前和紙の製法を取り入れながら、古紙または森林認証パルプを加えて作られています。

BATON PRINTで扱うOne Planet Paper®5% バナナペーパーCoCには、バナナの茎から取った繊維が5%以上使われています。 紙には繊維が見えることがあり、ロットによって白さやクリーム色の程度にも違いがあります。

東北で育った綿の茎を活用した「東北コットンCoC」

東北コットンCoC

東北コットンCoCは、東日本大震災をきっかけに始まった「東北コットンプロジェクト」から生まれた紙です。

津波の被害を受け、稲作が難しくなった農地で綿花を育て、栽培から商品化、販売までつなげる取り組みが始まりました。

プロジェクトは、農家の収益確保を支えながら、農業を基盤とした東北の新たな産業をつくることを目指してきました。現在は復興支援にとどまらず、地域の産業や持続可能な社会づくりにつながる取り組みへと広がっています。

紙の中には綿の茎の繊維が見え、一枚ずつ違った表情があります。

サトウキビの搾りかすから作られた「GAバガス-FS シュガー」

GAバガス-FS シュガー

バガスとは、サトウキビから砂糖を搾ったあとに残る搾りかすのことです。

GAバガス-FS シュガーは、このバガスを紙の原料として活用した用紙です。 少しざらつきのある手触りと、自然な紙色も特徴です。

木材とは異なる資源を生かす「竹はだGA」

竹はだGA
竹はだGA

竹はだGAは、竹パルプを30%以上配合した非木材紙です。

成長の早い竹を紙の原料として利用しており、木材利用削減や資源循環の観点から環境に配慮した用紙として扱っています。

ナチュラルな色味と、紙本来の凹凸を感じる手触りも特徴です。 廃棄されたものを再利用するだけが、環境に配慮した紙づくりではありません。「何を紙の原料として使うのか」というところから考えられた紙もあります。

▶︎アップサイクル紙を含む環境配慮紙をみる

会社の名刺に使うなら?

企業名刺では、素材の背景だけでなく、文字の読みやすさや印刷したときの見え方まで確認して選びます。

まず、文字が読みやすいこと

会社名、氏名、役職、電話番号、メールアドレスなど、名刺には小さな文字で情報を載せます。

紙に繊維が見えるものや、紙自体に色があるものでは、文字色との組み合わせによって見え方が変わります。 素材感のある紙を選ぶ場合も、必要な情報が読みやすいことは大切です。

ロゴやブランドカラーの見え方も確認します

同じ印刷データでも、紙が変われば色の見え方も変わります。

BATON PRINTで実際に印刷した仕上がりでは、紙そのものの色や質感によって、見え方に違いが出ることがあります。

GAバガス-FS シュガーや竹はだGAは、一般的な白くなめらかな用紙と比べ、色が少し落ち着いて見える傾向があります。

東北コットンCoCでは、広い面積を同じ色で印刷すると、紙に含まれる繊維や表面の質感によって、わずかにムラが見える場合があります。 「ロゴの色をできるだけそのまま見せたい」のか、「紙の素材感までデザインとして生かしたい」のか。目的によって合う紙は変わります。

▶︎名刺を増刷したら色が違う原因と、防ぐための確認点

一枚ごとに異なる表情も、紙の特徴です

天然素材や副産物を使った紙では、繊維の入り方や紙の色、風合いが一枚ごとに異なります。

同じデザインで印刷しても、繊維が見える位置まで同じにはなりません。一枚ずつ少しずつ表情が違うことも、こうした紙ならではの特徴です。

一方で、企業名刺として使う場合は注意したい点もあります。紙に含まれる繊維がロゴや細かな文字の上に見えることや、増刷したときに以前の紙と繊維の入り方や紙色が異なることがあります。

そのため、すべてを均一にそろえたい場合には向かないこともあります。 反対に、一枚ごとの違いも含めて素材感を生かしたい名刺やショップカードでは、その表情をデザインの一部として楽しむことができます。

素材感を生かした名刺やカード

紙の繊維や色が見えることを、デザインに生かす方法もあります。

カフェやアパレル、ショップなどのカードでは、余白を広く取り、紙そのものの表情を見せるデザインも考えられます。

会社の名刺では、会社名や氏名、連絡先が読みやすいことを優先して、繊維や模様が目立ちすぎない紙を選ぶ方法もあります。

「環境配慮紙だからこのデザイン」と決まっているわけではありません。 会社の名刺なのか、ショップカードなのか。ロゴをしっかり見せたいのか、紙の表情を生かしたいのか。使う目的に合わせて紙の選び方を変える必要があります。

紙の背景まで知って選ぶ

紙が何から作られ、どのような背景を持っているのかを知ると、「この紙を使ってみたい」という選ぶ理由が生まれます。

企業の名刺でも、会社が大切にしている考え方や取り組みと、紙が生まれた背景を重ねて選ぶことができます。環境への取り組みを進めている会社なら、その考え方に合う紙を名刺に取り入れることもひとつの方法です。

素材の色や繊維を生かして、その紙に合ったデザインを考えることもできます。一枚ごとに少しずつ表情が違う紙なら、それ自体が名刺やショップカードの個性にもなります。

そして、使っている紙の背景を知っていると、その名刺への愛着も少し変わってきます。

環境に配慮したいと思っていても、「会社として何から始めればよいのだろう」と迷うことはあります。

そんなとき、紙のストーリーを知り、「この考え方に共感するから、この紙を名刺に使ってみよう」と選ぶことも、環境への配慮を身近なところから考えるひとつのきっかけになります。

白さや厚さ、手触りだけでなく、素材の背景から紙を選ぶ。 名刺には、そんな選び方もあります。

紙選びからデザインとの相性も相談できます

「アップサイクル紙を使いたいけれど、どの紙を選べばいいか分からない」

「使いたい紙は決まっているけれど、今の名刺デザインに合うか心配」

「ロゴの色をきれいに見せながら、環境に配慮した紙を使いたい」

そんな段階からでも、BATON PRINTにご相談いただけます。

紙が変わると、色の見え方や文字の読みやすさ、デザイン全体の印象も変わります。そのためBATON PRINTでは、紙だけを選ぶのではなく、実際に使うロゴや文字、色との組み合わせも確認しながら考えます。

必要に応じて、今のデザインを生かしながら紙に合わせてデータを調整したり、素材感を生かす見せ方を考えたりすることもできます。 紙の名前が分からなくても問題ありません。「環境に配慮した紙を使いたい」「この紙を使ってみたい」というところから、用途やデザインに合う方法を一緒に考えます。

▶︎相談する

よくある質問

環境配慮紙と再生紙は同じものですか?

再生紙は、環境に配慮した紙のひとつです。

このほかにも、FSC認証紙、副産物を活用した紙、竹などの非木材原料を使った紙など、さまざまな考え方があります。 そのため、環境配慮紙と再生紙は同じものではありません。

アップサイクルを含む環境配慮紙は、企業名刺にも使えますか?

アップサイクルを含む環境配慮紙は、企業名刺にも使えます。

紙によって色や繊維の見え方、手触りが異なるため、会社名や氏名の読みやすさ、ロゴやブランドカラーの見え方も紙ごとに変わります。 そうした特徴も知ったうえで、実際のデザインや用途に合う紙を選ぶことができます。

実際の紙を見てから選ぶことはできますか?

BATON PRINTへご来社いただければ、紙の色や手触り、繊維の見え方などを実物で確認しながらご相談いただけます。

ご来社が難しい場合も、まずはお気軽にご相談ください。

今使っている名刺デザインのまま、紙だけ変更できますか?

データの状態や紙との相性によりますが、既存デザインを生かして紙を変更することも相談できます。

同じデータでも用紙によって色の見え方が変わるため、必要に応じてデータを調整することもできます。